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2007年06月30日

Paulは死なず

Paul McCartneyの最新アルバムMemory Almost Fullを聴いている。
結構よい。特に最初の3曲。
3曲目のSee Your Sunshineのベイスラインとメロディーだけでもご飯が一杯いける。
とうていお爺さんが作って歌っているとは思えない。
それにしても、Rockin' Onを立ち読みしたところ、相変わらず「こんな大傑作を何年も待っていた!」という主旨のことが書いてあった。
日本の洋楽雑誌は(と言ってもRockin' Onくらいしか読んだことないが)、何が発売されてもそのたびに「最高傑作!」などと言う。
本当に聴いて書いているのか。

Paul McCartneyの90年代以降の最高傑作と言えば、前作Chaos and Creation in the Backyardだろう。
The Beatles時代に匹敵する曲だって入っている。
例えばEnglish Tea。
For No Oneに曲調が似ているが、個人的にはこちらのほうが好きだ。
ブリティッシュな歌詞も秀逸。直後に同じキーGでToo Much Rainが続くのも泣ける。
そしてPromise To You Girl, This Never Happened Before, Anywayのバラード3連発が圧巻。
プロデューサのNigel Godrichが曲を厳選し、全ての楽器をPaulに演奏させたのがよかったのだろう。
このNigelという若者、Paulのあの名盤Tug of War(注1)も持っていないらしいのだが。

さてMemory Almost Fullに戻るが、The End of the Endという曲の中で、自分が死ぬ日について言及しているのが気になる。
まだまだこれからもよい曲を作り続けて欲しい。

ただし再婚はもうやめましょう。
曲作りのインスピレイションが欲しければ、多くの刹那的な恋をして下さい。
Paulなら誰も文句は言いません。


(注1) 名盤Tug Of Warが1982年に出た当時の、英国の音楽雑誌Smash Hitsのこのアルバムに対する評価が手元に残っている。(当時私はロンドンに住んでいたので。)超辛口で、10段階評価で4となっている。曰く、
"60s McCartney was pure genius; the '80s version is sadly mediocre."
(60年代のマッカートニーは天才そのものだったが、80年代のマッカートニーは悲しいほど凡庸である。)
間違った評価だとは思うが、日本人の音楽評論家もこれくらいの勇気をもってはどうか。

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プロフィール


「ニューズウォッチ」「フレッシュアイ」の名付け親。情報検索の研究者。工学博士。
2000年~2001年、英ケンブリッジ大学客員研究員。TOEICスコア985点。
2007年1月(株)東芝を退職。2月より(株)ニューズウォッチ自然言語処理研究室室長。
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