NTCIR(エンティサイル)もよろしくお願いします
既に紹介した国際ワークショップEVIAは、NTCIR(エンティサイル)という評価型ワークショップの成果報告会の併設ワークショップである。
なんのこっちゃ。ようするにEVIAはNTCIRの一部である。
5月15~18日に開催される第6回NTCIRの成果報告会の初日がEVIAである。
評価型ワークショップとは、ようするに研究者のためのオリンピックのようなもの。
世界中の出場者が一斉に同じデータを使った研究課題(タスク)に取り組んで、自分のシステムによる処理結果を期限までに提出し、結果を比較し、議論を行い、その研究分野を活性化させる仕組みである。
競争と協調が共存するイベントである。
情報アクセス技術に関する世界の三大評価型ワークショップといえば、米国National Institute of Standards and Technology主催のTREC(トレック)、欧州言語を対象としたCLEF(クレ)、そしてアジア言語を対象とした国立情報学研究所主催のNTCIRである。
昨年の第5回NTCIRには12ヶ国から102チーム(重複含む)の参加があったという。
第6回NTCIR(NTCIR-6)は、新聞や特許の言語横断情報検索(cross-language information retrieval)、つまりユーザの言語と検索対象の言語が異なる場合の検索、質問応答(question answering)、つまり文書のリストを出力するのではなく、例えば「ニューズウォッチの社長は?」のような質問に対する回答をずばり文字列で出力するもの、意見分析(opinion analysis)、つまり文書から意見を述べている文を抜き出して肯定的か否定的かなどを判定するものをカバーしている。
「NTCIRの母」あるいは「NTCIRのおねえさん」(ご本人はこちらをご希望)として知られているのが国立情報学研究所の神門典子(かんどのりこ)先生である。
世界中を飛び回って招待講演などをこなしつつ、NTCIRの全てを取り仕切っているすごい方である。
先日、今度の成果報告会で参加者に配るバッグのデザイン・配色にまで駄目出しをされているのを見て驚いた。
(国際会議に参加すると分厚い論文集などが配布されるので、これらを持ち歩くためにバッグが支給される。
一般的には、スポンサー会社のロゴがべたべた貼ってあり普段使うには恥ずかしすぎるものが多いのだが、NTCIRは数少ない例外である。
そういえば昨年シンガポールのSentosa島でやった別の国際会議で配られたのはbeach bagだったな。)
約一年半に一度のサイクルで開催されるNTCIRに私は毎回参加している。
英国留学中もStephen Robertsonらと参加した。
今回のNTCIR-6では「東芝チーム」として言語横断検索タスクに参加し、提出した全ての種目でトップの成績を出すことができた。
なにしろNTCIRに手を染めてもう10年目である。継続は力なり。
評価型ワークショップはコンテストではなく、よい成績よりも有用な知見を得ることのほうが重要だが、両方得られればそれに越したことはない。
また私はNTCIR-6のInformation Logistics Chairということになっている。
定義はよくわからないが、一応全ての論文を電子的に管理する係はやってきた。
EVIAとNTCIRの様子はなるべくリアルタイムに検索メイニアックに綴りたいと思っているが、
期間中は毎晩遅くまで外国人研究者との「discussion」になりそうな気配。
ときに最近、「discussion」の余韻が翌日まで残ることが多いのは歳のせい?



