« 「わかっていないことをわかっている」 | メイン | お久しぶりです »

「落下の王国」を観ました  このエントリーをはてなブックマークに追加 このエントリー参照しているはてなブックマーク このエントリーをdel.icio.usに追加

前から観たかった「落下の王国」が藤沢の映画館に来た。

ターセム監督が構想26年、撮影に4年を費やした作品。世界24カ国以上でロケ、13の世界遺産を撮影。アカデミー衣裳デザイン賞受賞の石岡瑛子が、衣裳を担当。 第40回シッチェス・カタロニア国際映画祭(バルセロナ近郊の海辺のリゾート地・シッチェスで毎年10月に開催されるファンタジー系作品の祭典)で最優秀作品賞…。

前評判は高く、CGなしの圧倒的な映像美に、酔いしれるべく、マーメイドと藤沢へ。

結果としては、「う~ん何だかなあ…」というのが正直なところ。確かに、砂漠のシーン、湖のシーン等、ハッと息を呑むほどの美しいシーンはあったし、色彩・衣裳デザインは、個性的で妖しく美しかった。

だけど、期待したほどではなかった。というか、かなり大きく期待を下回った。えっ、圧倒的な映像美って、こんなものなの? 本当に世界24ケ国以上でロケしたの?世界遺産13ケ所って、どこで出たっけ?…という感じ。

衣裳デザインの隠微な魅力も充分に表現されてはいなかった。ポスターになっていた、白と青でできた美しいドレスで舞うシーンなど、オドロオドロシイ音楽をバックに、乱舞するのかと思いきや、信じられない位簡単に終わってしまう。

話の筋自体は、非常に他愛がないものなのに、後日談やチャップリンの映像など終盤に長々と流し、何となく小奇麗な整合性を取ろうとする。元々ファンタジーで細かい事は誰も気にしていないのに。ここは、これでもか?って言うくらい凄い情景を畳み掛けるべきだったのでは。世界遺産をモチーフにして、バンバン凄い絵を見せて欲しかったなあ。

この映画で追求すべきは、CGなど最新技術では決して産み出せない、プリミティブな映像の力って奴ではなかったのか?

オリジナルタイトルは、“The Fall”~「落下」。だが、「死んで高い場所から人が落ちる」シーンばかり。落ちる物は、人とは限らないし、落ちる場所も高い建物からとは限らない。フワフワ落ちる物や、格好つけながら落ちるのでも良い。凄い景色の中で、もっとバリエーションのある美しい「落下」を見たかった。

しかし、それはそれとして、何故「落下の王国」なんだろう?
“The Fall”の邦題に、「王国」という言葉をわざわざ追加した理由が理解できない。劇中起こる「落下」の数々に、「王国」をシンボリックに示すものを、何も読み取れなかったのは、俺の感性の問題なのでしょうか?

この映画は、1月中旬から下関でも公開するので、映画好きの老母に、招待券を渡してある。「観にいくのは止めたほうがいい」…と言うべきかどうか、静かに悩むのであった。

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://mvt.fresheye.com/mt/mt-tb.cgi/963