新書を読んでちょっと考えたこと
新書の類は、読まないと言いつつ、ツボをついたネーミングに騙されて、購入しては、後悔している。ホントに、愚かな私。
最近、失敗したのは、「社長の値打ち」という本で、タイトルだけ見て、夢遊病者のように、レジに持っていってしまった。家に帰って読んだら、松下幸之助とか本田宗一郎のエピソードが延々と綴られていたので、速攻でゴミ箱に投げ入れましたがな。
さて、そのときに一緒に買ったのが、やはり新書で、「人間関係を良くするウンチャラ」みたいなタイトルの本で、内容自体は取り立てて、「それが何か」というものだったが、色々考えさせられることもあった。
職場やコミュニティ、その他所属する組織において「人間関係」に悩んでいる人は、案外多い。会社欝という症状や、オフィスで働く3分の1は、潜在的な鬱病患者…などという報道もされている。
真面目で几帳面な人ほど、人間関係に悩みがちである…ということは、よく指摘される。彼ら、彼女たちは、(人間関係がうまくいかないのは)自分に至らないところがあるのではないか…と真面目に思い悩み、精神的に更に落ち込みやすいのだと。(お前は、チャランポランなので、悩みなんかないだろうと、俺はよく言われるが、それは誤解だ)
で、とても不思議なのは、こういう「人間関係」に悩む人は多いが、「人間関係」そのものを、突き詰めて考える人は、非常に少なそうだということ。自分が居て、他者が居て、何らかの関係性があるのだが、個人的体験では、常に自分の内面に、原因や解決策を求める、内向き思考の傾向が強いように思う。
自分の内面を深く探って、改善しようとしても、その事と「人間関係の改善」は別種の問題なので、かえって逆効果だと思う。客観的に関係性を分析し、マネジメントする技術のようなものが、必要なのだ。凄く酷な言い方をすれば、自分を改善すれば、人間関係が改善するという考え方自体が傲慢なのだと感じる。
自分と他者を常に比較し、給与やら何やらミリ単位の違いに拘る人というのも存在するが、これも同様で、全ての考えが、自分を起点にして始まり、報われる事のないストレス蓄積の迷宮に迷い込んでいるように見える。
人間関係に悩んでいるのであれば、状況を俯瞰し、そのメカニズムを定義し、変化・改善させる為には、自分はどういうアクションを、他者に対して取るべきなのか、考え、動く、外向きな姿勢が、必要だと思う。過去の自分を振り返ったりするのも、余り適切ではなさそうだ。今、目の前に広がるのは、リアルタイムで、変化する生モノで、過去など無関係なのだから。 まずは、アクションを起こして、広がる波紋を、自分なりに評価して,更に次のアクションを起こすべき…と思うのだが。
前述新書に戻ると、劣等感やら妬み、羨みなど厄介な感情の源である自己愛をちょっと抑制し、景色の中で、ちょっと突き放して、自分や他者を観る事が重要とのこと。そうすると、いつもご機嫌で暮らせて、周囲の人もご機嫌になって、更に自分もご機嫌になるという、ご機嫌パラダイス的サイクルを生む事ができる…らしい。
まあ、現実は、そんなに、おめでたくはないのだが、人間関係を歪めるものは、自分の短所などが原因ではなくて、過剰な自己愛であり、そこから突き抜けて、外向きに、アクションを果敢に起こしていくべし…という主張には、大きく頷いてしまった。もしかすると、他にも有益な情報があるかもしれないので、ゴミ箱に捨てるのは、まだ止めておこう。

