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オリンピック雑感3 最強星野ジャパンは何故負けたか?  このエントリーをはてなブックマークに追加 このエントリー参照しているはてなブックマーク このエントリーをdel.icio.usに追加

「金メダルしかいらない」と言っていた、星野ジャパンは、銅メダルも取ることができずに終わった。成績も、4勝5敗と負け越し、特に決勝トーナメントに進んだキューバ,アメリカ、韓国には、全敗した。

前評判では、プロ野球のトッププレーヤー24人が集結し、過去最強との呼び声も高く、星野監督の強気の発言もあり、当然金、悪くても銀…位の印象を多くの人は、もっていたに違いない。

何故、最強のチームが、悲惨な結果を迎える事になったのだろう。野球そのものについては、全くわからないが、組織という観点から少し考えてみる。

全日本の成員は、大まかに言って、リーダーである監督、補佐するコーチ、そして選手の3種類のメンバーで構成される。
公式競技として迎える最後の大会ということもあり、プロ野球のトッププレーヤーで固めた布陣がそもそも前提とされ、彼らをマネジメントできる、ある種強烈な個性とカリスマ性をもった指導者として、星野監督が選ばれたのだと思う。

しかしながら、星野監督は、優れた監督ではあるが、オリンピックのような短期決戦で勝つ為の指導者として、本当に相応しかったのか。ペナントレースを制し日本シリーズに、三回出場しているが、いずれも負けている。つまり、短期決戦で勝った経験が乏しい。(アジア予選位か)

短期決戦に対する弱さは、星野監督のマネジメントの基本フィロソフィーに負う所が大きいのではないか。選手を信頼し、プライドを大切にし、役割分担を一旦決めてしまえば、ぶれずにそれに従う。以前の日本シリーズでは、王手をかけられた一戦に、それまで不振の伊良部投手を、ローテーション通り先発させ、結果敗退したこともある。

今回も、戦前に決めた勝利の方程式にのっとり、何度も打ち込まれている岩瀬投手を使い続け、傷口を広げた。これは、日本球界屈指の救援投手である岩瀬選手のプライドを重んじた結果だろう。韓国戦で致命的落球をした佐藤選手を使い続けたのも同様か。

こういうアプローチは、百数十試合リーグ戦を行う長丁場であるペナントレースには、恐らく向いているのだろう。選手は、一旦信用を得れば、一度や二度失敗しても起用し続けてくれる指揮官に応えようとするであろう。

しかし、短期決戦では、調子のいい選手を使うことが、勝利の要諦。実績を度外視し、今最も勝利に貢献する可能性の高い選手を出場させ、不調の選手は、実績がどうであれ、外すというフレキシビリティが求められる。そして、それは星野監督にとって最も苦手な意思決定だったのではないか?

コーチ人選では、田淵、山本浩という親友を起用した。彼らは、確かにプレーヤーとして超一流であり、監督経験もあり、優れた指導者だったのかもしれない。しかし、星野監督を補佐するのに最適な人材であったのか。既に還暦を越えた監督を補佐するコーチとしては、もっと若く、フットワークが軽く、国際試合経験の豊富な人物を起用すべきではなかったか?もし、彼らから、星野監督の大学時代からの親友というファクターを除いたとき、本当にベストのコーチ陣として選抜されただろうか?

召集された選手についても、シーズン中不振だった上原、成瀬、怪我をしていた川崎、西岡、稲葉、新井、今期怪我で一軍での活躍が余りない森野など、今調子がよい選手というよりは、星野監督の何らかの思い入れで、選手をセレクションしたという印象は否めない。召集された24人中、何人が、自分の実力を正当に発揮できたかを考えると、今回の選抜について、問題があったと言わざるをえない。

豪華で、最強といわれた投手陣をみても、通常のペナントレースでの役割分担で言えば、2人のクローザーを除けば、残りは皆スターターであり、セットアッパーはゼロ。スターターの中でも、現在両リーグを通じてハーラーダービートップの岩隈投手や、外国チームに強く、勝つ今シーズンは調子のいいサブマリン渡辺俊投手は外れている。

野手をみても、何故キャッチャーが三名なのに、本職の外野手は少ないの?とか、アテネ経験組が、殆どいない等、概して、技量、実績、経験、ポジションなど勝利の為の要件において、バランスを欠いた布陣だったのではないか?

まや、事細かな采配の是非は、運・不運に左右されるので、言及しても意味がないと思えるが、決勝戦で勝つまでのシナリオが非常に不明確だったのではないか

女子ソフトでは、予選リーグのアメリカ戦は、エース上野を温存し、コールド負けを喫した。準決勝、決勝で、温存した上野を3連投させ、金メダルを勝ち得たのは、記憶に新しい。

戦前より、星野監督は、予選リーグで2~3敗できることを強調していたが、実際には、全試合勝とうとしていたように見える。

予選リーグのキューバー戦、アメリカ戦でエース・ダルビッシュを先発させながら、決勝トーナメントでは、銅メダル決定戦のアメリカ戦、しかも既に4点差をつけられた8回1イニングのみの登板となったのは、リソースの配分と言う意味で、非常に不適切だったように思える。

勿論、ダルビッシュ投手を、韓国戦、アメリカ戦で投げさせても、結果は変わらなかったかもしれない。しかし、重要度の高い試合で、一番勝つ確率の高い選手を起用するという、大原則を守ることが、勝つ為には不可欠だったのではないか…と思うのである。

以上、短期決戦には向かないリーダーにより、必ずしも客観的とはいえない理由で選抜された選手、コーチにより構成されたチームが、短期決戦に勝つ為の明確な戦略不在のまま、突き進んだために起こった悲劇だと総括できるのではないか? 

勿論、ここまで述べたことは、全て後付けの話であり、違う選択肢を取っていた場合、勝てたかどうかは不明だ。ただ、日本野球界が、全知全能を絞りつくし、金メダルを取りにいくために、ベストな意思決定をしたかについては、NOと言わざるを得ないと思うのだが…。

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