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4月に想うこと  このエントリーをはてなブックマークに追加 このエントリー参照しているはてなブックマーク このエントリーをdel.icio.usに追加

あれれ、どうして???といううちに、もう4月も半ば。この前、正月だったと思うのだが、もう1年の4分の1が終ってしまった。

4月といえば、期の初め。多くの会社では、ファイナンシャルイヤーの初めの月であり、弊社もそうだが、新しい予算に基づいて、新しいスタートを切る時である。なんと、清々しいことよ。

動きの早いIT業界においては、年間予算を編成するのは、かなり難しい。予算編成根拠となる各要素が、1年の間に、かなり変動をする。 成長しないネットベンチャーなど、ただの中小企業なので、当然のことながら、ステイクホルダーは、高い成長を期待する。

昔、鋳物工場の予算担当をしていたことがあるが、弊社と鋳物工場の予算は、同じ予算編成・統制でも、全く違う性質のものである。ぶれても、売上が上下10%である鋳物工場の予算は、各費目ごとに、ある程度予測可能な範囲での差異をマネジメントするものである。それに対し、ネットベンチャー企業のそれは、リスクに満ちたアドベンチャーだ。数字にコミットするといっても、ネットベンチャーの予算にコミットするのは、清水の舞台から身伸のムーンサルトで降りるくらいの度胸が必要とされる。

であるから、まだ予測可能な目先の第一四半期は、出来るだけ堅く行きたいのが、人情だ。そうすると、必然的に、最終四半期に、思わず息を呑むほどシャープな成長が課せられるという状況に陥る。この、予測根拠が、時間の経過とともに希薄になるにつれて、売上がどんどん上昇する予算を、その月別売上の折れ線グラフが、ホッケーのスティックに形が酷似することから、「魅惑のホッケースティック型予算」と称することが多い。(この呼び名は、俺の経験では、万国共通だ)

その芸術的なまでの反り上がりには、血と汗と涙と願望と神頼みとゼロ学占星術…など色々な要素が複雑にミックスされた、経営者の熱き思いが込められているのだ。 そういう予算をみても、「これ、ホッケースティックじゃん」のように、直截的な指摘をゆめゆめしてはならない。「ご苦労なさったことで」と、静かに声をかけるべし。清く正しい経営者は、「まだまだ、至らぬことが多いもので…」と軽く頭を下げつつ、静かにお茶を立てる。まあ、そういう、しきたりになっているのだ。

1年間の予算でも、こんなに人間模様が交錯するのに、(交錯といえば、島耕作は社長になったそうじゃないの、おめでとう)IT企業にすら中期計画(5年間)が求められる。なんと不条理なことか?
中期計画も、3年目以降くらいになると、(俺の場合は)想像力の限界を超えていて、エクセルの前で、心臓がほぼ停止し、生体反応が失われたまま、固まってしまう。気を取り直して、よ~し、毎月5%づつ売上上昇だ…などと大雑把にいくと、5年目には、おいおい何故、こんな天文学的な数値になるわけ?というような数値になって、髪が逆立つ。

このように、予算というものは難しい。よく、予算とは、過去の数値などを統計的に処理して作成をする、サイエンスに属する領域のように思っている人もいるが、大きな誤りである。それは、そのビジネスに関わり責任をもつ人々の意思の表現であり、それ以上でも、それ以下でもない。そういう意味では、純粋にアートの領域に属するものといえる。

さて、そういう訳で、兎にも角にも、4月だ。昔、使っていた英会話の教科書にあった一文を思い出す。
All kinds of experiences await people- new work, new friends, new adventures in April.

そう、4月は、何もかも動き出す月だ。

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