体温と気温
風邪から中々完全回復しない。
急に気温が上がって、お外は、相当春めいているのだが、まだ咳はでるし、喉は痛いし、食欲は回復していないし…。中々、気持ちは、華やがない。ドヨ~ンとしたままである。
前エントリーで、俺の体温計フェチぶりをご紹介したのだが、実は、母親からの影響もあるのかもしれない…とも感じている。
田舎の家というのは、基本的に大雑把にデカイ。俺が、中高を過ごした家は、平屋で、7LDKくらいあって、姉が大学に進学した後は、お袋と俺の二人で住んでいた。当然の如く、7LDKあっても、殆んど使わないので、「開かずの間」的な部屋もでてくる。
うちの母親は、この全ての部屋に、気温計と湿度計を設置していた。また、毎日チェックを怠ることもなく、今日は気温が、昨日に比べて2度高いなどのコメントを、非常に自然に、会話に織り込むのを常としていた。
彼女の頭の中には、各部屋の気温の差異、季節別、時間別の折れ線グラフの傾きなどが、整然と整理・記録されているかのようであった。
実は、俺は、恥ずかしながら、この状況を至極普通であると理解をしていたのだ。つまり、ついこの間まで、どの家庭でも、気温計と湿度計は各部屋に設置されていると思いこんでいたのだ。
しかも、それは、割とマメに計測され、家族メンバーに、確実にシェアされるべき情報種として、一家の主婦が把握すべきあることを、露ほどに疑うことはなかったのだ。
気温や湿度に対して、我が家のような情熱をもって、各家庭が、接しているわけではないことを知ったときの、俺の精神的ショックは、筆舌に尽くし難い。 そんな馬鹿な、一体何を信じて生きていけばよいのか? 俺の生活は、荒んでいった。あの日、君に出会わなければ、今でも、賭け花札に命を張るような生活をしていたに違いない…。
さて、各部屋に、気温計と湿度計を設置し、更に毎日その数値を、何十年にも渡ってチェックを続けたのは、如何なるモチベーションによるものなのだろうか?
我が母親のことながら、そのあたりが全く謎なのだ。マーメイドからは、母親は気温を、息子は体温を、理由もなく激しいパッションでチェックする不可思議な親子と思われている。
温度計と体温計の間には、何があるのか?何もないのか?心が早鐘を打つ。

