KYについての私の考察
人と話す時には、相手の目をみて…とよく言われるのだが、中々出来ない。
恋人同士なら、まだしも、相手の目を見て話すなど、かなり恥ずかしいので、何となく、明後日の方向をみて話すことが多い。
時々、視線を全く外さず、まばたきすらしない人にお目にかかったりするが、極めて居心地が悪いし、ドライアイにならないか、他人事ながら心配になる。
本日、最寄り駅に近づいたので、電車出入り口付近に、立っていた。午後10時過ぎだった為か、酔っ払っている会社員思しき人たちが多い。電車の中では、係わり合いにならないよう、ひたすら、目線を落として、体を小さく、目立たないようにしている。
今夜そうやって立っていたら、誰かの視線を強く感じた。斜め横の40代会社員風の方が、不機嫌そうな視線を俺に向けている事に気付く。 目があったところで、向こうが目をそらした。
5分後位に、また何か、絡みつくような視線を感じる。斜め前の、くたびれた管理職みたいな、酔っ払いが、俺の顔を、厭な目付きでみている。その男は、視線を外して、何故か小さく舌打ちをした。
別に、今日乗り合わせた車輌が悪かったわけではない。 東京勤務の背広を着た通勤者は、常に不機嫌そうで、非常に苛立った、殺伐とした視線を、他者に向けている傾向が強い気がする。 そういうムードに、いつまでたっても慣れないせいか、この手の不躾な視線を敏感に感じることが多い。
こういうオジサン達も、会社では、それなりに上手くやっているのだろう。
部長に、「ナイスショット、流石ですね~」などとゴルフ場で、ゴマをすり、社長には直立不動なんだろう、恐らく、根拠は無いけど。
「KY」がバズワードになっている。要は、殆んどの人間が、空気を読むことに長けているので、「読めない」奴が、揶揄されるのだろう。でも、空気を読むって、そんなに大した事かよ?と思う。
直接の利害関係者に対してのみ、異常なまでに、空気を読み、対立を避け、何となく円満なムード維持に躍起になっているだけのことではないか? その癖、この手の輩は、一歩外にでれば、人を不躾な視線でジロジロみたり、雑踏で、お年寄りを突き飛ばしても、詫びもせず、すたすた歩いていくのだ。(あくまで、俺の想像だけどね)
新入社員の頃、会社の偉い方から、ご叱責を受ける事が多かった。
俺が担当になると、隠蔽されていた在庫の巨大な差異、クレームレポートの山が、倉庫に放置され適正な費用請求がされていないこと等が、何故か次々と明らかになってしまうのであった。正確に言うと、空気の読めない俺が、明らかにしてしまったわけなのだが…。こういう場合、実際に問題を起こした前任者の皆様ではなく、常に発見してしまった俺が、責任を問われ、厳しく叱責される…というパターン。
やはりフレッシュマンだったとき、部品の発注を担当し、引き継がれた通り、必要展開部品数ー現在庫+安全在庫という式に従っての自動発注システムで調達をしていたら、部品が全く足らなくなって、現場から怒鳴り込まれた。
よくよく、調べてみると、部品展開システムがおかしい、在庫棚卸の精度が最悪、安全在庫と部品納入の標準リードタイムが不正確…と、自動発注数の計算根拠が全ておかしかった…笑っちゃうけど。前任者は、そのことを知っていたので、部品を置くスペースが足らなくなる位の数の発注書を手入力で発行していたのだが(ルール違反)、責任問題になるので、俺には何も申し送りしなかったのである。
KYとは、正しい事、真っ当な事を、ムラの掟を破って行う事を意味する…ともいえる。本人、別に他意はないのだ。別に正義感があるとか、信念に燃えているというわけでもない。気付いたら、隠蔽された問題を明確にしてしまっただけだったり、ルールに従って、馬鹿正直に行動しただけなのだ。
ただ、そういう事をする奴は、余り愉快な経験をしないように、世の中できている。
同様・類似の理由で、これ以降も、今日に至るまで、人一倍苦労が多い俺の、飲み屋でのカミングアウトには、皆号泣必至だ、。 俺が、不良になったり、グレたりしなかったのは、奇跡的とも言える。 「KYの皆さん、君達は、別に多くの場合において、余り間違っていない」…と大きな声で、訴えたい。
まあ、ここまでの俺の話は、KYと無神経は全く違うコンセプトであるという前提に基づくのだが…。

