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プーチン氏とリーダーシップ論  このエントリーをはてなブックマークに追加 このエントリー参照しているはてなブックマーク このエントリーをdel.icio.usに追加

社長というポジションにいて、組織とメンバーについて、深い関心を持たない人はいないだろう。

ほんの数年前まで、俺は社長はある種の機能であるという定義をしていた。しかし、それは、ちょっと違う...と最近では思う。「機能」と言えば、何か機械的、オートマティックに、問題を次々処理していくイメージだが、実際には、もっと曖昧模糊としたもの、様々な感情だったり、複雑な交換条件だったり、ドロドロしたエリアで、どう最適解を見つけるか...という業務ではないか。

そんな「業務」をこなしていると、自然と「組織と人」についての興味が湧いてくる。
最も切実な興味は、リーダーは、どのようにしてリーダーになり得るのか?社長、部長、取締役、ディレクター...と色々役職はあるが、その役職は「リーダー」であることを、保証しない。

一般的なリーダーシップの定義は、 

一人の人間がその他の人間から服従、信頼、尊敬、忠誠、協力を得られるような方法で人間の思考、計画、行動を指揮でき、かつそのような特権を持てるようになる技術及び才能を指すと考えられている。それは意思決定を行う指揮、労力や資源を配分・管理する統制、心的作用による統御の三機能から構成されると考えられている。以下略 <ウィキペディア>

勿論、上述「指揮」「統制」「統御」を行う為には、ヒエラルキーにおけるある程度の位置付けが必要なケースが多いが、それだけではない。

俺は、ニューズウォッチ社の5人目の社長なのだが、赴任してきて直ぐ、社員の一人にこう言われた。「この会社の本当の権力を持っているのは、社長じゃないですから...」 そういうわけで、5年間で5人も社長が代わっているわけなのね...なるほどと得心した。

リーダーが、ヒエラルキー上の位置だけでで決まるのでなければ、何が決定要因なのか。例えば、プーチン氏のケースはどうか?

プーチン氏は自らの後継候補にメドベージェフ第1副首相を選択。メドベージェフ氏は、来年3月の次期大統領選挙を待たずに、プーチン氏を「首相」に指名。子分を、大統領に指名したら、その子分が首相に親分を指名したってことだが、日本の同族企業でありそうな話し。実力社長が、次は副社長として、実質的に会社を仕切リ続ける話しに近い。

今更、ロシアが民主主義国家だと思っている人はいないと思うが、健全なる政権交代という民主主義の大前提を覆し、政府を、プーチン氏の故郷サンクトペテルブルク出身の身内、旧友、KGB時代の部下や側近などで固め、立法、司法、行政の三権を中央集権化、独占化し...というのはやはり異常な状況だ。ただ、下院選挙で、圧倒的な勝利を収めたところをみると、ロシアの皆さんは、「ツァーリ、皇帝」を求めているということか?

新大統領は、組織図上では、完全なるトップ。また、プーチン時代にその権限は、最大限に強化をされている。オフィシャルには、メドベージェフ氏は、プーチン氏を圧倒的に上回る権限を有する。その状態でも、プーチンが「皇帝」であり続ける根拠って何なのだろう。

権力とは何か?人は、何に従うのか?という問いなのだが、非常に難しい。リーダーシップの定義では、「服従、信頼、尊敬、忠誠、協力を得られるような方法で人間の思考、計画、行動を指揮でき、かつそのような特権を持てるようになる技術及び才能」とある。つまり公的な権限ではなく、技術や才能としてリーダーシップをみなしている。だが、そのような技術・才能の所有者とは、何者だろう?(催眠術師、陰陽師、詐欺師、カルトのグル...のうちの何れか?)

プーチン氏の武器の一つは、彼に逆らうものに対する直接的な報復が行われるであろうという「恐怖」だろう。多くの大企業で社長や部長が持ちえる武器も、同じようなもので、反対者には、「冷や飯を食わせるぞ」「セントへレナ支店に飛ばすぞ、この野郎」といったものか。
同じ派閥に属した人間には、手厚い処遇を施すという、「メリット提供」も、「恐怖」の裏返しで、一つの理由にはなる。

ただ、この賛成・反対により、将来被るかもしれない「メリット」の素晴らしさ、「デメリット」の恐怖を創出する能力は、ある人間がリーダー足り得るかの要件を、ごく一部説明しているに過ぎない。もっと、大きなシークレットがある...筈だ。

リーダーとは何か、フォロワーとは何か、組織とは何か...という問いかけは、まさに「人間とは何か」という問いかけと同義だ。つまり、人類誕生から、ずっと問い続けているのに、誰も答えに行き着いていない課題だ。どんなに、小さい組織であっても、運営するのは、難しいわけだよね...と納得する。

ただ、難しいからと言って、問いかけと思考をやめるわけにはいかない...そうやって苦しむのも業務の一つと思うようになった。


 
  

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