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みのポリティックスに物申す  このエントリーをはてなブックマークに追加 このエントリー参照しているはてなブックマーク このエントリーをdel.icio.usに追加

以前勤めていた会社では、会議で工場長から、「~の原価は幾らか?」などというご下問を受けることがある。

「~の原価」というのは、それを決定する要因としては、100とか200とかあって、一言ではいえない。しかし、こういうシチュエーションはグニャグニャ言っても駄目なのである。男らしく、「トンあたり2万円です」等と、多少の誤差は目を瞑って、言いきることが必要。そうすれば、会議はスムーズに流れていくのだ。

やはり以前勤めていた外資系企業の、ワールドワイドミーティングなどでは、マクロ経済について、「日本はどうだ?」みたいな事を聞かれることがよくある。首相でもなく、ただの平凡なサラリーマンに過ぎない俺に、そんなビッグクエスチョンをぶつけるんかい?という話だが、ここも真偽は別として、躊躇なく、何かを言い切ることが求められる。実際のビジネスの場で、「持ち帰ってご回答します」というような手は、殆ど通用しない。

つまり、こういったシチュエーションで求められるのは、真実ではなく、真実の一面を表現する単純なモデルと、それについて、白か黒かといった明確な回答なのである。ビジネスの世界では、時間が最重要ファクター。聞くほうも、聞かれるほうも、その制約条件下で、より良い意思決定を、最速で行おうとすると、上記のようなアプローチにならざるを得ない。

ただ、優秀なマネジメントは、白黒二元論が、短期間で意思決定をするための便法であることを知り、そのリスクも熟知しているので、余り問題にならない。

問題は、世の中を単純な切り口でバッサリ切れると思っている人々、もしくは複雑な状況だと思考停止になるので、殊更に白黒にわけてしまう人々ではないか?

小泉首相が、あれほどの支持率をキープできたのは、「自民党をぶっ壊す」「郵政民営化の是非を問う」など、過激でわかりやすい選択肢を、国民に突きつけ続けたからであろう。

先日の日経に、「みのポリティックス」の記事が掲載されていた。「みのポリティックス」とは、朝のワイドショーで、みのもんた氏が、政治や社会問題を取り上げて、白黒つけていくコメントをだす。そうすると、その小気味よさに、多くの国民が耳を傾け、あたかも自分の意見であるかのように、同一視をしていく風潮の事を指す。

実際のところ、政治問題だろうが、社会問題だろうが、小さな会社の経営問題であろうが、そんなに単純ではなく、複雑に色々なファクターが絡まっている。そういう複雑な話しを、単純な二元論にすり替えて、白黒つけてしまうことは、知的怠惰ではないか?

みの氏が、快刀乱麻で、社会問題を切るとき、多くの重要なファクターについての重要な視点が、ごっそり抉り取られ、忘れ去られる…という現象が起こっている。日本人は、そんなにアホではない…というご意見もあると思うが、俺としては、最近非常に懐疑的なのであった。


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