ふるさと納税制度
ふるさと納税制度というものが、話題になっている。
ふるさと納税制度って何かというと…
1.定義個人の所得税の一定割合を個人が育ったふるさとに納税するという新税制度。
2.ふるさとの定義
個人が小中学校の義務教育期間、過ごした都道府県。
・小中学校時代、複数の都道府県に移り住んだ場合、
期間の長い2カ所に2分割納税する。
・この期間海外に住んでいた人は、自分で自分のふるさと都道府県を指定する。
(個人の確定申告書にふるさと欄を設け、個人による書き込み式とする。個人の申告を 信用するという立場に立つ。)3.意義
所得税を納めるようになった個人を育てたのは、個人のふるさとである。
ふるさとなくして個人の現在の姿は無い。人間形成、技能修得の大切な時期を過ごしたふるさとに、恩返しの意味で所得税の一定割合を納税することは、理にかなったことであり、日本人の精神構造にも合致すると思われる。個人に対する人材育成のコストがかかっているのだから。
主体的生活者が増え、地方での就職生活を送るケースが増えたとは言え、やはり、仕事が集中する大都市に人口が集中し、産業や税金が集中するのは避けられない。多くの首長が「地域主権」を唱えている。地域に産業を誘致したり、ふるさとUターンを推奨したり、地道な活動を展開しているが、今こそ本質的に「地域主権」を実現するための新しい税財政を実現する必要がある。
これは、与党を中心に議論がされているものだが、反対論も多い。一つには、テクニカルな問題として難しいのではないか…という考え方だし、また民主党小沢代表は「「自公政権は言葉だけは聞こえのいいことを言っているが、実態は地方への補助金、地方交付税のカット(削減)だ。効率の悪い部門を切り捨てようとしている」と批判している。いつもながら、小沢代表は、わざと、シンプルに間違える。選挙を意識しすぎだ。
よくよく考えてみると、自分の税金が、どのように使われているかについて、納税者が全く把握していないのが、現状ではないか。例えば、神奈川県民税に貴方が支払った税額合計は幾らで、そのうち数%がXX、数%がYY、鎌倉市民税に貴方が支払った税額は合計は幾らで、そのうち数%がZZ…など、わかり易く理解でき、かつ例えば、この市民税、県民税によって、充実された社会資本のベスト10なんかがあると、地方行政の有効性もわかり易くなる。
上に書いた項目は、企業で言えば、投資効果分析みたいなもので、営利企業であれば、計画&結果について当然の如く、取締役会や株主総会で開示して、了承を得るべき項目である。(キャッシュフローの一部+αね)また、了承を得る際にも、わかり易いように、円グラフをつかったり、類型化したり、投資カテゴリーをつくったりと、色々工夫をするのである。何しろ、企業のオペレーションで使う金は、全部株主様のものだから当然。
行政には、こういう発想が欠けていると思うのである。
そういう意味では、今回のようにある一定額を、「出身地」の税額に使うとか、ある目的に使うというような決めが個人的に可能になり、かつこれが、トレーサビリティをもつことができれば、非常に素晴らしいことではないかと思ったりする。
「ふるさと納税」について言えば、森鴎外を思い出す。彼は、墓碑銘にわざわざ、「石見人 森林太郎」と書かせた。陸軍軍医総監になり作家として名を成しても、彼は、石見人であり、それ以外の何者でもなかった。俺も、税額の一割を下関のために使うという事に関しては、全くウェルカムな話だし、コンセプト的には、賛成なのだが、果たして技術的に、現行の税収制度を歪めることなく、運用することは可能なのだろうか?
このあたり、税金を数十年にわたって払い続けているにもかかわらず、全く無知であることも露呈。確かに、学校では、詳しく教えない。何故?

