ワークライフバランスという言葉を最近知った。
ワーク・ライフ・バランスとは
仕事と生活の調和のことで、1980年代の終わりごろに米国、英国で生まれた考え方。最初は育児との両立支援が中心だったが、男女や子供の有無にかかわらず、だれもが働きやすい仕組みに拡大され、人材確保戦略の一端を担うようになった。
ふむふむ。
ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)
生産性上げ ノー残業実現 3月29日読売新聞
残業を原則禁止し、生産性を向上させた(東京都豊島区の同社で) 仕事と生活の調和を意味する「ワーク・ライフ・バランス」という考え方が注目を集めている。人口減社会を迎え、少子化対策につなげたいという国の思惑などが背景にある。だが、「残業大国」の日本で、こうした考え方を、どのように根付かせていけばいいのだろうか。(大津和夫)
無理しない
DVDを買ったり、妻と外で夕食を取ったり、スポーツクラブで汗を流したり――。「無印良品」を展開する良品計画(東京)の松井忠三社長の平日の夜の過ごし方だ。
同社は1月から、本部勤務社員を対象に原則として残業を禁止した。生産性の向上を目指した結果、「仕事の終わりを決めるという“締め切り効果”により、長時間労働による無駄や無理を省くことが最善の策」と、松井社長が導入した。
勤務時間は午前9時から午後6時。やむを得ず残業をする場合は、事前に理由を届け出る。届け出がなく居残る社員には、館内放送や見回りで退社を促す。
ノー残業の実施に併せて、各自の年間スケジュールと仕事の手順を細かく定めた。それまで頭の中にあった仕事を目に見える形にすることで、誰でも仕事を代われるようにしたのだ。松井社長は「子育て、趣味、勉強など、社員には視野を広げてほしい。仕事と生活の調和は、生産性を上げる武器」と話す。
世の中、不条理なことが多い中、平等なのは,皆1日24時間ということだけだ。そして、その時間の使い方は基本的に自由で、自分の置かれた環境、ポリシーに従って使えばいい。残業を禁止とか何とかは、その自由を剥奪する話だ。そんなこと会社が決めるな…といいたい。「届け出がなく居残る社員には、館内放送や見回りで退社を促す」って、お前は、中学生か?
ノー残業という制度が決まれば、支障なく実施できるのであれば、これまでの残業は、大方「部長が残っているのに、部下は帰れません」みたいな、ガキ同然のメンタリティ集団だったということを意味するだけではないか?
時間のマネジメント権を、会社が一部制約するわけだが、その権利を失った個人って、成熟したオトナではないだろう。
少子化対策の柱
ワーク・ライフ・バランスとは、だれもが働きやすい仕組みを作ること。日本ではここ数年、少子化対策に連動する形で広まった。
政府は1994年に「エンゼルプラン」を策定して以来、保育サービスの拡充などに力を注いだが、効果は上がらなかった。こうした中、仕事と生活の調和を図ることが出生率回復につながるという考え方が広まり、2004年策定の少子化社会対策大綱には重点課題として明記されるなど、少子化対策の柱に掲げられるようになった。
民間では、社会経済生産性本部(東京)が昨年6月、国や自治体に基本計画の策定を求める「ワーク・ライフ・バランス推進基本法」の制定を提言。8月には、経済界、労働界らの代表約100人で推進会議を設立した。
一部の先進企業は、合同で研究会を作り、情報を交換している。背景には、労働力が減る一方で、女性の7割が出産を機に離職しており、「せっかく育てた女性が退社するのは損失」(電機メーカー幹部)という“コスト意識”がある。
働く側も、仕事一辺倒の生活は望んでいない。内閣府が06年1月に実施した「男女の働き方と仕事と生活の調和に関する調査」では、性別、結婚の有無に関係なく、「仕事優先」を希望した割合は1、2%程度に過ぎない。
ワークライフバランスを取るのは、個人であり、会社ではない。で、ワークライフバランスをとる施策の典型が、もし残業廃止であるならば、全然出生率とは関係がない。
また、出産を機に退職するのは、会社の制度の問題である。大体、日本企業など、女性が結婚後もしくは出産後働いたり、マネジメントを行ったりを、全然想定せずに各種スキームを構築しているのであるから、その辺の意識改革をするべきだ。
生き残りに必要
長時間労働を是正するにはどうしたらいいのか。
今国会に提出される予定の労働基準法改正案には、残業抑制策が盛り込まれている。現行法では、労働時間が1日8時間を超えると、平日で賃金の25%以上の残業代を支払うことになっているが、改正案ではこの規制を強化。月80時間を超えた場合の割増率をアメリカと同様、50%以上とした。
だが、サービス残業が横行している日本では、「法規制を強化しても、仕事全体の量を変えない限り、未払い残業が増えるだけ」(あるIT企業幹部)といった見方が根強い。
富士通総研の渥美由喜主任研究員は、「日本流の仕事の進め方を見直すべきだ」と主張し、具体策として、〈1〉会議や意思決定の手続きを簡素化する〈2〉各自の仕事の範囲と成果を具体化する〈3〉仕事を目に見えるようにして共有できるようにする――などを挙げる。冒頭で取り上げた「良品計画」も導入している欧米流の仕事法だ。
「国際競争で生き残るためには、不可避の作業」と渥美氏は話す。
ワークライフバランスと、残業がどういう関係があるというのか?日本流の仕事の進め方なんていうものがあるのか?大体、国際競争って、何をどう競争する話なのか?ワークライフバランスに関わる話は、どれもこれも、ぼんやりした話がごっちゃになっている。
「良品計画」が導入しているのは、別に欧米流の仕事術ではなくて、「放課後はクラスルームに残って、コックリさんはやめろ」みたいな中学校・小学校レベルのルールだ。
ワーク・ライフ・バランスは、海外でも注目されているが、取り組み方は様々だ。
イギリスでは2000年からキャンペーンを始め、企業に経済支援を行うなどの施策を実施。オランダは同年、労働時間の増減を使用者に要請する権利を労働者に認める労働時間調整法を制定した。スウェーデンは05年、勤続2年以上の労働者を対象とした最長1年の休暇制度を導入した。
日本では、残業を前提とした働き方に問題があるというのが、専門家に共通した見方だ。
日本は世界有数の長時間労働大国だ。1週間に働く時間が50時間を超える労働者の割合は、日本が28・1%と先進国トップ。厚生労働省の調査だと、04年の労働者1人当たりの年間の平均労働時間は1834時間で年々減少しているが、これはパートら短時間労働者が増えたことを反映した見かけの数字。週60時間以上働く人の割合を93年と04年で比較すると、10・6%から12・2%と増えた。
過重労働に伴う脳・心疾患の労災認定件数は、年間310件を超える。日本の労働生産性(04年)は経済協力開発機構(OECD)加盟30か国中19位。日本女子大の大沢真知子教授は「労働者の健康まで害しかねない今の働き方は持続性に乏しく、生産性も低い。少ない労働力で労働の質を高める意味で、長時間労働の是正が不可欠」と語る。
過重に働くかどうか等、本来個人が選択することだ。日本の会社では、足に鎖をつけたり、鞭で打ったりして、無理やり残業させているのか?(そういう会社もあるのかもしれないが、そういう会社は辞めればよろしい)
この手の話で、いつも違和感を感じるのは、「会社」という名の擬人化された、独裁者がいて、意に沿わない労働者を無理やり働かせているような印象がすることだ。master of timeは、個人であって会社ではない。
長く働いたら、ワーク・ライフ・バランスは、崩れるのか?そういう定量的な尺度のみで、「調和」なんていう定性的問題を取り上げていいのか?
[プラスα]パパも子育てしたいのに
子供を持つ父親の多くは、子育てにかかわりたいと思いながら、理想通りにはいかないのが現状のようだ。
ベネッセ次世代育成研究所が、2005年に0~6歳の子供を持つ約3000人の父親を対象としたインターネット調査によると、平日に子供と過ごす時間で一番多かったのが、「1~2時間未満」(27.0%)。2時間未満の人の合計は63.7%にのぼった。
「理想とする時間」を聞いてみると、一番多かったのが「2~3時間未満」(32.6%)で、逆に70.3%が2時間以上を挙げていた。
ベネッセ教育研究開発センターが同年、東アジア5都市で行った幼児の父親の帰宅時間についての調査では、22時台以降に帰宅する父親は東京が39.7%だったのに対し、ソウルが21.5%、台北が10.0%、北京が9.5%、上海が8.5%と東京が際だって多かった。子供とのふれ合いの時間を増やすためには、まず帰宅時間から見直さないといけないのだろう。
「父親は子供とのふれあいの時間を多く持つべきだ」なんていう、ステレオタイプの話に、ロックされた論調には、もう辟易する。本当に、「ふれあいの時間」なんぞがそんなに長く必要なのか?時間より密度ではないのか?誠実に仕事や生活に取り組んでいる姿をみせることの方が、重要ではないのか?東京と台北とソウルと比較して、何が分かるというのだ。
誤解を避けるためにいうと、俺は以下のことには大賛成だ。
・子供をもった女性が働きやすいように、弾力的な勤務スキームを作る
・会議や意思決定の手続きを簡素化する
・各自の仕事の範囲と成果を具体化する
・仕事を目に見えるようにして共有できるようにする
・質の高い仕事をする
・通勤時間を短くする
ただ、こう言いたい。
・働く時間が長いから、生活と調和がとれないのか?そういう単純二元論で討議すべき話か?
・働く環境が、苛酷であったり、異常なものであれば、その環境を変革するか、新しい環境に移るかは、個人の意志だ。
・仕事と生活の調和なんて、個人の問題だ。
・国際競争力、出生率、欧米流仕事術、日本流仕事術など、定義不明、意味不明なことと、仕事と生活の調和という全然違うはなしとごっちゃにするな
・大体、仕事と生活って「調和」させるべきものか?「生活」のごく一部が仕事ではないか
ということで、時間を有効に利用して、より良く充実した人生を過ごせるかどうかは、独立、成熟した個人の意志に基づいたタイムマネジメント能力によるものであり、個人が,master of timeであることが、まず第一であると思うのである。