女性宇宙飛行士の危険な思い込み
思い込みというのは、誰にでもある。
俺の場合は、かなり長い間、「抹香くさい」(抹香のにおいがする。転じて、いかにも仏教的な感じがする。ぼうずくさい)を「末法くさい」と思っていた。(因みに、末法とは「三時の一。仏法が行われなくなる時代。正法時(しようぼうじ)・像法時(ぞうぼうじ)を過ぎてのち一万年間の称。教法は存在するが、修行を行う者がなく同時に悟りの証も得られない時期。末法時」という意味で、何となく辛気臭い感じのことではないかと思っていた。
かなり長い間、そういう風に信じ込んでいたので、抹香VS末法で、マーメイドと激しい言い争いになり、「よ~し、辞書で確認をして、決着をつけよう」ということになった。結果は...。
マーメイドの、憎々しげに、勝ち誇った表情が忘れられない。
こんなことで、こんなにムキになりやがって、と思ったのだが、実は、その前に、ムキになっていたのは俺のほうで、かつ、したり顔で「末法というのは、仏教用語で、仏法が衰えてしまった時代で、絶望的ってことよ。絶望⇒暗い⇒辛気臭いって意味になるわけね。日本史未履修の君にはわかるまい...」てなことを言っていたのである。
現在は、奴の「思い込みによる、愚かな誤り」を暴き、リベンジの機会を伺う日々であるが、敵もさるもの中々しっぽをださない...流石メデューサ。
さて...
殺人未遂で女性飛行士訴追/“恋敵”襲撃に高い関心
2007/02/07 10:59
【ニューヨーク6日共同】米フロリダ州オーランドの司法当局は6日、恋敵と思い込んだ女性への誘拐未遂容疑で逮捕した航空宇宙局(NASA)の宇宙飛行士リサ・ノワク容疑者(43)について、犯行時に折り畳みナイフや金づちなどを所持していた点を重視、第1級殺人未遂罪で訴追した。英雄視されるスペースシャトル乗組員による前代未聞のスキャンダルに全米の関心は高く、CNNなどは裁判所に出廷したノワク容疑者の様子を中継。しかし、同容疑者は法廷でほとんど発言せず「宇宙飛行の資格まで与えられた人物がどうしてこうなるのかといった疑問」(マイアミ・ヘラルド紙)は残ったままだ。
調べでは、同容疑者は好意を抱いていた同僚の男性宇宙飛行士(41)をめぐる恋敵と見なした女性に対し5日、オーランドの空港で化学物質の入ったスプレーを噴射した疑い...以下略
思い込むのは、人間の常としても、ちょっと尋常ではない。
この女性飛行士は、海軍出身で三人の子供がいて、同僚の男性飛行士にも二人の子供。共に既婚者で、被害者は、空軍勤務。非常に、規律正しく、モラルの高い職場にいたわけだ。
また宇宙飛行士とは、知的水準も高く、心身ともにタフでないと勤まらない仕事である。しかも43歳という、分別のつく年頃。非常に奇異な感じをうけるのだが、英雄視され、尊敬と称賛をうけるスペースシャトル乗組員で、あったとしても、恋をしてしまうと、社会的評価など、どうでもよくなるのであろうか?
金槌と折りたたみ式ナイフってことは、本格的に、恋敵を、葬り去るつもりだった...かも知れず、間違ってはいるのだが、何か一途な情念みたいなものを感じて、ちょっとたじろぐ。
事を為すには、狂気に満ちた思い込みのエネルギーが必要だ。超難関の宇宙飛行士の資格を取得できたのは、やはりこういう思いこみの力があったからだろう。しかし、そのパワーが誤った方向性を持つ時、強力だけに、自分も含めて周囲の人間をも深く傷つけてしまう...。
人間って、本当に悲しい生き物だ。

