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ウェブ進化論を読んでみました  このエントリーをはてなブックマークに追加 このエントリー参照しているはてなブックマーク このエントリーをdel.icio.usに追加

ウェブ進化論(ちくま書房 梅田望夫著)を読んでみました。凄く荒っぽい要約をすると...

・IT関連コストは劇的な低下を起こしており、「チープ革命」と呼んでも差し支えないレベルである
・そして、このチープ革命は、一般人に情報発信・表現の機会を与える
・こうやって発信された情報・表現は、技術革新により、それを必要とする誰かに届く
・この技術革新の中心に検索技術があり、この主役は、グーグルである
・グーグルは「検索の会社」ではなく、「増殖する地球上の膨大な情報を全て整理する」事を目指している
・つまり玉石混交のなかから、玉をより分けることである
・そのためには、検索といった能動的情報収集手段だけでは不充分で、自動秩序形成システムのようなものが、受動的情報収集を可能にするブレイクスルーが必要である
・もう一つの大きな流れを作っているのはオープンソース化である
・これらの潮流を前提にして、新しくネット上に生じたルールが、「全体を俯瞰する視点」「ネット上に作った人間の分身がカネを稼いでくれる新しい経済圏⇒アフィリエイト、アドセンス」「これまで価値として認識されなかったはずの価値の集積⇒ロングテイル」
・こういうルールが生まれたウェブでおこる進化とは、つまり情報そのものに関する革命的変化のことである
・上述チープ革命、技術革新、ブログの普及により、不特定多数の人間が発信し、討議し、得られる知見に対し、高い信頼感をもち、ネット上で展開する知の営みが、WEB2.0の本質であり、ウェブ進化の方向性である
・社会的にみれば、これまで情報を発信してきた既存メディアのあり方、プロとアマの差異などに大きな影響をあたえていくであろう

とまあ、こんな感じです。これらの進化を支えている精神的バックボーンは、底抜けの楽天主義と行動主義であるとも論じています。
で...ここまで読んで、「それがどうしたちゅうねん?」突っ込みをいれた貴方、貴方は非常に正しい。この本は、ウェブ進化論と大仰なタイトルをつけている割に、現在ネット上で起こっている変化を切り取って説明したに過ぎません。もしかすると、既に「続ウェブ進化論」という原稿が、印刷されはじめているのかもしれませんが、ここで述べられているのは、2006年初頭のウェブ世界のスナップショットなのです。

恐らくこういう理解から、次に以下のような項目が、我々の考えるべき課題ではないかと思います。

・検索ワードを入力するという能動的な行動を起こさない、受動的情報収集者にとっての最適なシステムとは何なのか(この本でいうところの自動秩序形成システム)
・不特定多数の知見は、人間を豊かにする結論へと収斂するのか
・もし不特定多数の知見が、人間を豊かにする結論へと収斂するのであれば、その際の国家、社会のあり方は、どう変容するのか
・収斂しないのであれば、社会に与えるネガティブなインパクトは

これら疑問に共通なのは、不特定多数を構成する、個のあり方です。Individualismに対する信仰ともいえる楽天主義を貫くシリコンバレー的アプローチは、皆で百科事典を作ったり、プログラムを作ったりでは、大きな成果をあげていますが、その手法は政治、行政における諸問題にも有効なアプローチなのでしょうか?

『ウェブ進化論』が示唆する日本社会の未来』で砂田さんが、

藤原正彦著『国家の品格』(新潮新書)が理想として描く日本の姿とは対極にあるのではないかと気づいた

と書かれていたのですが、実は僕は全く逆のことを感じました。つまり、この「不特定多数の知見が意味を持ちうる社会」においては、個が、独立した個人として高い見識と寛容さをもつ必要があるということ、そして、その規範になりうるのが、イギリスでは伝統であり、日本では「情緒と形」というものではないかと。非常に舌足らずなのですが、そういう成熟した個人が出現しない限り、テクニカルな議論以外の領域では、衆愚、ポピュリズム、極端な右傾化、左傾化など、ヒステリックで悲惨な結果を生む可能性を秘めていると思うのでした。つまり「国家の品格」で定義されている人間像こそが、ウェブ革命を真に革命足らしめる条件ではないかと。

判りにくかったでしょうか?ごめんなさい

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「ウェブ進化論」の感想を社長ブログ@fresheyeの方に書きました。(「ウェブ [詳しくはこちら]

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「ウェブ進化論―本当の大変化はこれから始まる」ちくま新書249p 18cm筑摩書房(2006-02-10出版) [詳しくはこちら]

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コメント

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