市民メディアはマスコミに勝てない...のか?
ITmediaに、「市民メディアにマスコミは勝てない」という西村ひろゆき氏のコメントが紹介されていました。まず、1次情報に関して、事実認定をしていくという作業を考えると、会社組織として、充分なスタッフを備えた既存新聞社に対して、市民メディアの記者が、そのジャーナリスト活動を生業としていないということを前提にすると、勝つことはありえないと思います。
市民メディアが、既存メディアの対抗サービスであるならば、明確な差別化要因がないと駄目だと思うのです。つまり、現行マスメディアと同じアプローチで、同じ領域の事象を、市民記者と人的編集という機能のみで目指すのであれば、勝ち目がないという事だと思います。まず、そのあたりを戦略的に考える必要があります。
勝てる領域としては、本人もしくはその身辺で起こった事象に関する報道やマニアックな内容であろうと思います。新聞社が取り上げることが難しい、地域密着型、生活密着型、マニア領域の記事については、差別化のチャンスがあります。こういう観点から、世界的なネットワークを作れば、朝刊と夕刊しかない紙媒体と違い、即時性というネットならではの特性も生きてくると思います。
また、1次情報ではなく、1.5次、2次情報~つまり事実に対する評論、評価の領域であれば、充分特殊性を発揮できると考えます。こういう情報については、多種多様なバリエーションをカバーすることができ、充分現在の全国紙、週刊紙などの補完的存在になりえるのではないかと思っています。勿論、ここでも、事実認定や記事評価などに、時間がかかるようであれば、中々難しいこととなります。
もう一つの側面として、ブログ人口は、爆発的に増加をし、これまでとは桁外れの情報発信が行われているという事実があります。この情報量(全国紙が一日1000記事弱であるのに対し、日々のエントリーは、主要ブログ運営社だけでも、40万くらいあります)と多様性をいかに強みに変えていくかという視点が不可欠と思います。
これらブロガーにとって、必要なのはネット新聞という場ではなく、情報受信者に確かにリーチする方法。つまり、大量情報を、論理的整合性をもったツリー上のトピックに分類し、見やすい形で表示するアグリゲイター的アプローチと検索という、言語処理アプリこそ、求められているのではないかと思います。つまり、情報受信者と発信者を繋げる仕組みです。
所謂機械的編集機能ということですが、記事の信憑性や信頼性を評価するものではありません。ただ、このアプローチでは、同一事実に関して、異なった意見や取り扱いをした複数の情報を一まとめでユーザーに表示することができます。何を正しいと思い、何を支持するかの判断は、それら情報をみて、個人が判断をする事でよいのではないかと思います。所謂大新聞の報道を盲目的に信じるという姿勢から、クリティカルリーディングができる知的読み手へと進化させるインパクトを持ちうるのではないかと思っています。
NEWSWEEKの今週のカバーストーリーは「ブログは新聞を殺す」です。こちらに関しても、また考えてみたいと思います。
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